整形外科の疾患の特徴
1、たちまち重篤になることは少ないが、痛みが長引くことも多い。
2、しびれや痛みの箇所が必ずしも原因箇所ではないことがある。
3、日頃から適度に身体を動かしている事が一番の予防、ただし急にジムなどで筋トレを始める時は要注意(特に高齢の方は)
4、整形外科は骨、関節をはじめ身体活動に関わる組織や器官の疾患を主に治療します。痛みやしびれが長く続く前に受診しましょう。
脊椎、腰部
脊柱は7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、仙骨などの椎骨が連結したものです 。この椎骨の後ろには椎孔があり、それぞれの椎孔は全脊柱を通じて1つの管を形成しています。これを脊柱管といいます。このなかに脊髄があります。 この脊髄と腰椎部から左右へ多数の脊髄神経根が分かれて、これらが躯幹、四肢の筋肉の運動や感覚を支配しています。
- 変形性脊椎症
- 原因と症状:加齢によって生じるもので無症状のことも多いですが、変形が進むと体のそり返りが制限され腰背部に痛みが生じるようになります
治療:痛みが強い時はコルセットを使用するなど安静にし、、消炎鎮痛剤、筋弛緩薬などを服用し様子をみます。
痛みが軽くなれば、日常の姿勢や動作に気をつけ、腰痛体操で腹筋を強化、また体重減少をこころがけます。 - 腰部脊柱管狭窄症
- 原因と症状:変形性脊椎症と同じく高齢男性に多く見られます、脊柱管が狭くなり(狭窄は腰椎に強くおこります)神経を圧迫して症状をおこします。安静にしているとほとんど症状がないものの、背筋を伸ばして立ったり歩いたりすると太ももや膝から下にしびれや痛みがでて歩きづらくなり、長い距離を続けて歩けなくなります。休めば直るのが特徴です。
治療:CT検査や、MRI検査で狭窄の部位や程度が明らかになります。変形性脊椎症の治療とほとんど同じで、服薬、コルセット装着痛みをやわらげる注射(硬膜外ブロック)等があります。そして日常生活で姿勢を正しく保つようこころがけ、肥満をさけることが大切です。
- 腰椎分離症、すべり症
- 原因と症状:分離症は若い年代でスポーツの練習などで腰をそらしたり、回したりの同一動作をくりかえすことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。それが原因で徐々に分離すべり症に進行する場合があります。
治療:慢性的な腰痛、臀部、大腿部痛があっても、日常生活に障害なく過ごせる場合が大部分です。
正しい姿勢をこころがけ、腹筋、背筋、の筋力を強化します。
- 腰部捻挫
- 原因と症状:脊柱のうち腰椎は5つあり、それぞれの間には椎間板というクッションの役目をするものがあり。靭帯や筋肉でつながれています。運動中に腰を無理にねじったり中腰のまま重い物をもちあげたりする動作の瞬間にこれらの一部が引き伸ばされたり断裂したりして激しい痛みに襲われそのままうごけなくなったりします。
治療:おおむね1週間程度安静に寝ていると痛みは楽になります。必要に応じて鎮痛薬を服用し、また痛み止めの注射をすることもあります。無理をして早く動き出すと再発しやすいので気をつけます。日常生活での姿勢(中腰にならないなど)に注意をしましょう。 - 腰椎椎間板ヘルニア
- 原因と症状:椎間板は繊維輪と髄核で出来ていて骨を繋ぐクッションの役目をしていますがその一部がはみ出て神経を圧迫することで症状がでます。最初の痛みは数週でらくになることが多いですが、腰、臀部の痛みの他下肢にしびれを感じたり、足に力が入りにくくなります。加齢による変性、悪い姿勢での作業、また喫煙などが原因で起こりやすくなることが言われています。
治療:レントゲン撮影、MRI等の検査で調べます。痛みの強い間は安静にします、消炎鎮痛剤を服用したり、座薬を使用したり、痛みをやわらげる注射(神経ブロック)を行います。コルセットを着けても効果があります。どうしても良くならない場合は手術を考慮します。