整形外科の疾患の特徴

1、たちまち重篤になることは少ないが、痛みが長引くことも多い。
2、しびれや痛みの箇所が必ずしも原因箇所ではないことがある。
3、日頃から適度に身体を動かしている事が一番の予防、ただし急にジムなどで筋トレを始める時は要注意(特に高齢の方は)
4、整形外科は骨、関節をはじめ身体活動に関わる組織や器官の疾患を主に治療します。痛みやしびれが長く続く前に受診しましょう。

手関節・手指

手根管症候群
原因と症状:手首にある手根管の中で神経が圧迫され、それに手首の動きが加わり生じます。はじめは人差し指、中指にしびれや痛みが出ますが親指薬指の半分もしびれてきます。手を振ったり指を曲げ伸ばしすると痛みが軽減します。ひどくなると縫い物など細かい作業がしづらくなります。
治療:仕事を軽減し、装具やギプスで固定し安静を保ち、痛みをおさえるための内服薬、湿布薬、さらに手根管内腱鞘内注射を行います。また、難治性の場合は手術が必要になります。
狭窄性腱鞘炎(ドゥケルバン病)
原因と症状:拇指の使い過ぎにより腱鞘が厚くなったり、腱の表面が傷んだりし手首の拇指側にある腱鞘、腱に炎症が起こり動きがスムーズでなくなり腫れや痛みが生じます。妊娠出産期更年期の女性に多く、手の使い過ぎや指をよく使う仕事の人に多いです。
治療:拇指を装具やギプスで安静にし、内風薬、また腱鞘内注射などをし様子を見ます。改善しない時や再発を繰り返す場合は腱鞘切開の手術を行います。
弾発指(バネ指)
原因と症状:拇指、中指に多く、指の付け根が炎症を起こし痛みや腫れが生じます、進行すると指にバネのような現象が起こります。これらは原因不明なことが多いですが、手をよく使う人だけでなく、妊娠、出産、更年期の女性にも多く、スポーツで手の使い過ぎなどで生じる症状です。
治療:消炎鎮痛剤などの服用、湿布薬、腱鞘内注射などで経過を見ますが、症状が改善しない場合や再発を繰り返すような場合は手術を行います。
ガングリオン
原因と症状:若い女性の手部によく発生し米粒大からピンポン玉大のふくろ状の腫瘤で、中はゼリー状のものが詰まっています。手関節の背側、手首の拇指の掌側、に多く見られます
治療:悪性のものではなく、普通は痛みもないので放置していてもかまいません。気になったり、痛むときは注射針で中身を吸い出します。繰り返し中身が溜まるような場合は手術で取り除きます。